鍵屋も 道具がなければ 無力です。
あと15分で 約束の時間です。
このまま開けれなければ
お客様になんと言おうか?
とにかく 作業車を開けなければ
と思い 原始的な方法を考えます。
まずは 太い長い 針金が ないか 辺りを探します。
もちろん 見つかりません。
ふと、バモスのアンテナが眼につきました。
それを 引きちぎりました。
先端の方を 曲げます。
そして、手で 運転席の ガラス窓の隙間をこじって
無理やり 指を入れていきます。
しかし うまくいきません。 指が 痛いです。
もっと 力を入れなくては と思っていると
通りすがりの おば様方が、どうしたの?
と 声をかけてきました。
怪しがられているのか。と思いつつも
「内鍵をしてしまいまして」 と言うと
「あらら、」 と言って 去っていきました。
この方達は、まさかオイラが鍵屋だとは
夢にも思っていないだろう。と思いました。
隙間を開けるには 指の力だけでは無理そうなので、
小さい石を挟んで 少しずつ 大きい石を入れていくしかない。
と考えました。
しかし、適正な石が すぐには見つからなそうです。
携帯はあるので 事務の人に電話をして 何かしら 工具を持って来させるしかないかな
とも思い 電話をかけます。しかし とりません。
まだ早朝であり しかも事務の人から この場所までは 長距離になります。
世界が終わったな と思いました。
そして ふと思い出しました。 確か ボディバックの奥に 予備の合鍵を入れていたはずです。
カバンを漁り、予備の合鍵が出てきました。それでバモス が開きました。
(過去のオイラに感謝!!)